デジタルギフト券を社員に配る際の経費処理|福利厚生費?交際費?正しい仕訳を解説 税務・法務

デジタルギフト券を社員に配る際の経費処理|福利厚生費?交際費?正しい仕訳を解説

2026年04月02日

「社員にデジタルギフト券を配りたいけど、経費処理はどうすればいいの?福利厚生費で落とせる?」

社員への報奨やお祝いにデジタルギフト券を活用する企業が増えています。 Amazonギフトカード、QUOカードPay、各種電子マネーなど、手軽に送れて社員にも喜ばれるデジタルギフトは便利な手段です。

しかし、経理担当者にとっては「これは給与?福利厚生費?交際費?」という判断が悩ましいところ。 間違えると源泉徴収の漏れや税務調査でのリスクに繋がるため、正しい処理方法を知っておく必要があります。

この記事では、社員にデジタルギフト券を支給する際の経費処理を用途別に整理し、勘定科目の判定基準と具体的な仕訳例まで解説します。

重要な注意事項: この記事は一般的な税務の考え方を解説するものであり、個別の税務判断を保証するものではありません。実際の処理については、必ず顧問税理士にご確認ください。

(※リファラル採用のインセンティブに特化した税務処理は「紹介報酬にかかる税金」で詳しく解説しています)


大前提:デジタルギフト券は「現金と同じ」扱い

まず押さえるべき大原則があります。

デジタルギフト券(Amazonギフトカード、QUOカードPay等)は、税務上「現金と同等のもの」として扱われます。

「ギフト券だから非課税だろう」「少額だから問題ないだろう」と考えがちですが、これは間違いです。 ギフト券は金銭と同じように使えるため、社員に支給した場合は原則として「経済的利益の供与」、つまり課税対象になります。

ただし、支給の目的や状況によって、使うべき勘定科目(給与・福利厚生費・交際費など)が変わり、課税の取り扱いも異なります。 以下で、用途別に整理していきましょう。


用途別:勘定科目と課税の判定フローチャート

社員にデジタルギフト券を支給する場面は、大きく4つのパターンに分類できます。

用途 勘定科目 源泉徴収 消費税
①リファラル採用の紹介報奨金 給与手当 必要 不課税
②慶弔金(結婚祝い・出産祝い等) 福利厚生費(条件あり) 不要(条件を満たす場合) 不課税
③業績表彰の副賞・インセンティブ 給与手当 必要 不課税
④取引先への贈答 接待交際費 不要 非課税

以下、それぞれ詳しく解説します。


ケース①:リファラル採用の紹介報奨金としてギフト券を支給する場合

勘定科目:給与手当

リファラル採用の報奨金としてデジタルギフト券を支給する場合、勘定科目は「給与手当」です。

社員紹介制度に基づいて支給される報奨金は、その名目がギフト券であっても、会社の制度に基づいて支給条件が定められ、条件を満たせば支給される性質のものです。 したがって、税務上は「労働の対価(賃金)」に準ずるものとして扱われる可能性が高く、給与として処理するのが最も安全です。

仕訳例(カジュアル面談実施で3,000円のデジタルギフトを支給)

借方 金額 貸方 金額
給与手当 3,000円 未払費用(またはギフト購入時の前払金を取崩) 3,000円

処理のポイント

源泉徴収が必要です。 デジタルギフト券の額面金額を給与に含めて、所得税の源泉徴収を行います。具体的には、ギフト券を支給した月の給与計算時に額面金額を加算し、源泉所得税を計算します。

給与明細への記載も必要です。 「紹介手当(現物支給)」等の名目で、給与明細に金額を記載してください。

リファぱっとを利用している場合: ギフト原資+手数料の都度決済で支給され、支給履歴がダッシュボードに記録されます。この履歴を給与計算時の参照資料として活用できるため、「いつ・誰に・いくら支給したか」の追跡が容易です。

(※リファラル採用の報奨金の税務処理の詳細は「紹介報酬にかかる税金」で解説しています)


ケース②:慶弔金(結婚祝い・出産祝い等)としてギフト券を支給する場合

勘定科目:福利厚生費(条件を満たす場合)

社員の結婚や出産に際してギフト券を贈る場合、一定の条件を満たせば「福利厚生費」として処理できます。 福利厚生費として認められれば、社員側に所得税はかかりません(非課税)。

福利厚生費として認められる3つの条件

  1. 全社員を対象としたルールであること。 就業規則や慶弔規程に、慶弔金の支給基準が明記されている必要があります。特定の社員だけを対象にしたものはNGです。
  2. 社会通念上妥当な金額であること。 結婚祝い金の一般的な相場は1万〜3万円程度。これを大きく超える金額は給与として扱われるリスクが高まります。
  3. 社会的な慣習に基づく支給であること。 結婚・出産・弔事など、広く一般に行われている慶弔事由に対する支給であること。誕生日祝いとして商品券を支給したケースが福利厚生費として認められなかった過去の事例があります。

注意:ギフト券の場合は「給与」になる可能性が高い

ここで非常に重要な注意点があります。

国税庁の通達では、商品券やギフト券は「金銭と同等のもの」として扱われるため、慶弔金であっても「給与等」として課税される可能性が高いとされています。

つまり、慶弔の趣旨であっても、現金やギフト券で支給すると給与扱いになりやすい。 福利厚生費として非課税にしたい場合は、「現物(物品)で支給する」方が税務リスクは低くなります(例:カタログギフトで品物を選ぶ形式など)。

ギフト券で支給する場合は、安全を期して給与手当として処理し、源泉徴収を行うことをおすすめします。

仕訳例(結婚祝いとして1万円のギフト券を支給・給与扱いの場合)

借方 金額 貸方 金額
給与手当 10,000円 現金預金 10,000円

ケース③:業績表彰の副賞・インセンティブとしてギフト券を支給する場合

勘定科目:給与手当

営業成績の表彰やMVP表彰の副賞としてギフト券を支給する場合、勘定科目は「給与手当」です。

国税庁の基本通達では、創業記念や永年勤続表彰の副賞であっても、商品券(ギフト券)は「金銭と同等」と扱われるため給与等として課税されるとしています。 記念品として「物品」を支給する場合は非課税になるケースもありますが、ギフト券の場合は一律に給与扱いとなると考えてください。

仕訳例(四半期MVPの副賞としてギフト券5,000円を支給)

借方 金額 貸方 金額
給与手当 5,000円 現金預金 5,000円

ケース④:取引先への贈答としてギフト券を購入する場合

勘定科目:接待交際費

取引先への贈答用にデジタルギフト券を購入する場合は、「接待交際費」として処理します。 この場合、社員に対する支給ではないため源泉徴収は不要です。

仕訳例(取引先へのお中元としてギフト券3万円分を購入・送付)

借方 金額 貸方 金額
接待交際費 30,000円 現金預金 30,000円

消費税の注意点

商品券・ギフト券の購入時の消費税は非課税です。 これは、購入時と使用時の二重課税を防ぐための措置です。 購入時に消費税を計上しないよう注意してください。


期末にギフト券が余っている場合の処理

デジタルギフト券をまとめて購入したものの、期末時点で未使用分が残っている場合は注意が必要です。

使用目的が明確でない在庫のギフト券は、「貯蔵品」として資産計上する必要があります。 購入時に全額を経費計上していた場合は、期末に未使用分を貯蔵品に振り替えてください。

仕訳例(期末に未使用のギフト券2万円分が残っている場合)

借方 金額 貸方 金額
貯蔵品 20,000円 接待交際費(または給与手当) 20,000円

デジタルギフトの場合: リファぱっとのような都度決済方式のツールを利用すれば、ギフトは実際に発行された時点で費用が発生するため、「購入したけど余った」という在庫管理の問題が発生しません。この点は、事前にまとめて購入する紙のギフト券と比べた大きなメリットです。


よくある誤解と注意点

誤解1:「少額のギフト券なら非課税」

金額の大小に関わらず、社員へのギフト券の支給は原則として課税対象です。 3,000円のAmazonギフトカードでも、10万円分の商品券でも、税務上の扱いは同じです。 「少額だから大丈夫」という判断は危険です。

誤解2:「デジタルギフトは現物支給だから福利厚生費」

デジタルギフト券は「現物」ですが、金銭と同様に使用できるため、税務上は「現金の支給」と同等に扱われます。 福利厚生費として認められるのは、前述の3条件(全社員対象・社会通念上妥当・慣習に基づく)を満たし、かつ「金銭に換えられない物品」で支給する場合に限られます。

誤解3:「購入時に全額を経費計上すればOK」

取引先への贈答用など、使用目的が明確で購入即使用の場合は購入時の経費計上で問題ありません。 しかし、在庫として保管する場合は「貯蔵品」として資産計上が必要です。期末に未使用分の棚卸しを忘れないようにしてください。

誤解4:「ギフト券の購入に消費税がかかる」

ギフト券・商品券の購入は非課税取引です。 購入時に消費税を計上してしまうと、仕入税額控除の誤りになるので注意してください。


経理処理の手間を最小化するリファぱっとの都度決済方式

社員へのギフト券支給で最も経理の手間がかかるのは、「誰に」「いつ」「いくら」支給したかの記録管理です。 特にリファラル採用の段階制インセンティブでは、カジュアル面談・面接・採用の各タイミングでギフトが発生するため、紙やExcelでの管理では漏れが生じやすくなります。

中小企業向けリファラル採用管理ツールリファぱっとは、この問題を都度決済方式で解決しています。

従来の方式(ギフト券をまとめ買い) リファぱっとの都度決済方式
事前にまとめて購入 → 在庫管理が必要 ギフト発行時にギフト原資+手数料を都度決済。在庫ゼロ
期末に未使用分を「貯蔵品」に振替 使った分だけ費用計上。棚卸し不要
誰にいつ配ったかをExcelで手動管理 支給履歴がダッシュボードに自動記録
給与計算時に自分で集計 月次の支給一覧を参照資料としてダウンロード可能

さらに、社労士監修のインセンティブ運用ガイドラインが付属しており、報奨金の法的性質(給与該当性・職業安定法との関係)、税務・社会保険上の注意点が整理されています。

月額10,000円(税別)から利用でき、無料で始められます。

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よくある質問

Q. Amazonギフトカードとお食事券では税務上の扱いは違いますか?

はい。Amazonギフトカードのように用途が自由なデジタルギフトは、金銭と同等に扱われるため原則として給与課税の対象です。一方、飲食専用のクーポン(特定のレストランやフードデリバリーでのみ使えるもの)は、用途が限定されているため、懇親会費や福利厚生費として処理できる場合があります。ただし、判断は個別のケースによるため、税理士にご確認ください。

Q. 社員がギフト券を使わなかった場合でも課税されますか?

はい。課税のタイミングは「ギフト券を支給した時点」です。社員が実際にギフト券を使ったかどうかは関係ありません。支給時点で経済的利益の供与があったと見なされるため、使用の有無に関わらず源泉徴収が必要です。

Q. ギフト券ではなく「体験型ギフト」(旅行券・食事券等)にすれば非課税になりますか?

一概には言えませんが、永年勤続表彰の副賞として旅行券を支給するケースでは、一定の条件を満たせば非課税となる可能性があります(旅行の実施報告が必要など)。ただし、金額や条件によって判断が分かれるため、必ず税理士に相談してください。

Q. 年間の支給額が少額なら確定申告は不要ですか?

社員が通常の給与以外に受け取る所得が年間20万円以下の場合、確定申告は不要とされるケースもありますが、これはあくまで「確定申告が不要」なだけであり、会社側の源泉徴収義務は金額に関わらず発生します。会社としては少額であっても源泉徴収を行い、給与として処理してください。


まとめ:迷ったら「給与手当」で処理するのが最も安全

デジタルギフト券の経費処理で迷った場合のシンプルなルールをお伝えします。

「社員に対するギフト券の支給は、原則として給与手当で処理し、源泉徴収を行う。」

これさえ守っていれば、税務上のリスクは最小限に抑えられます。 福利厚生費として処理できるケースは限定的(慶弔金で物品支給の場合等)であり、ギフト券の場合は給与扱いになるのが原則だと覚えておいてください。

リファラル採用のインセンティブとしてギフト券を活用する場合は、リファぱっと の都度決済方式を活用すれば、在庫管理の手間がゼロになり、支給履歴も自動記録されるため経理処理の負担を大幅に軽減できます。

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