基礎知識
リファラル採用の成功事例5選|中小企業でも採用コスト50%削減できた理由
「リファラル採用がいいのは分かった。でも、本当にうちのような小さな会社でも成果が出るの?」
リファラル採用の仕組みやメリットを理解しても、最後に背中を押してくれるのは「実際に成功した企業のリアルな話」です。
ただし、よくある成功事例記事に登場するのは、メルカリやセールスフォース、富士通といった大企業ばかり。 「年間採用の半数をリファラルで達成」と聞いても、従業員30名の自社には遠い世界に感じてしまいます。
この記事では、中小企業が「うちでもできそう」と感じられることを最優先に、業種の異なる5つの成功事例を紹介します。 各事例に共通する成功の法則と、明日から真似できる具体的なアクションもまとめました。
(※リファラル採用の基本については「リファラル採用とは?」、制度の始め方は「リファラル採用の始め方 完全ガイド」で解説しています)
成功事例を読む前に:5社に共通する「3つの法則」
先に結論をお伝えします。 業種や規模が異なる5つの事例を分析すると、成功企業には必ず以下の3つの共通点がありました。
法則1:経営者(トップ)が自ら旗を振っている 制度を作って人事に任せるのではなく、社長や役員自らが「リファラル採用をやる」と宣言し、繰り返し社員に語りかけている。
法則2:「応募」ではなく「カジュアル面談」を入口にしている 友人を「面接に連れてきて」ではなく「話を聞いてもらうだけでいい」というハードルの低い入口を設けることで、紹介する側の心理的負担を下げている。
法則3:「仕組み」で社員の負担を最小化している 紹介URLやQRコードの発行、インセンティブの自動送付など、社員が「やることが少ない」仕組みを整えている。面倒だと誰も動かない。
この3つの法則を頭に入れた上で、各事例を読んでみてください。 「うちならどう応用できるか」が見えてくるはずです。
事例1【飲食業界】串カツ田中HD — 離職率30%超を劇的に改善、採用コストも大幅削減
課題
串カツ田中ホールディングスは、飲食業界共通の深刻な課題——採用コストの高騰と30%を超える高い離職率——に直面していました。 人材紹介経由の採用では1名あたり100万円近いコストが発生し、しかも採用した人材が定着しないという二重の痛みを抱えていたのです。
何をやったのか
経営陣がこの危機的状況を全社員にオープンに共有したことが最大の転換点でした。 「採用コストの現状」「離職がもたらす現場への負荷」を隠さず伝えた上で、「だからこそ社員の力が必要」というメッセージを発信。 同時に、社員が友人を紹介しやすくなるよう福利厚生を見直し、「社員に還元するためにリファラル採用を推進する」という姿勢を明確にしました。
成果
採用コストは大幅に抑制され、離職率も劇的に改善。 リファラル経由で入社した社員は、社風や仕事内容を事前に理解しているため、入社後のギャップが少なく定着率が高い傾向が顕著に表れました。
中小企業が真似できるポイント
串カツ田中の成功の本質は、特別なツールでも高額なインセンティブでもなく、「経営者が採用課題をオープンに語ったこと」にあります。
従業員30名以下の中小企業なら、明日の朝礼で社長が以下を話すだけで、同じ効果が期待できます。
「実はうちの会社、求人広告に年間○○万円使ってるんだけど、なかなかいい人が来なくて。もし皆さんの周りに、うちの会社に合いそうな人がいたら、まず話を聞いてもらうだけでいいので教えてくれませんか。紹介してくれた方にはギフト券でお礼をします。」
この一言から、リファラル採用は始まります。
事例2【IT業界】SmartHR — 「ごめんねごはん制度」で不採用の気まずさを解消し、内定率10倍
課題
クラウド人事労務ソフトを提供するSmartHRは、リファラル採用の最大の懸念である「紹介した友人が不採用になった場合の人間関係悪化」に正面から向き合いました。 社員が「友達を紹介したいけど、落ちたら気まずい」と感じて紹介をためらう——この心理的ハードルが、リファラル採用を形骸化させる最大の原因でした。
何をやったのか
SmartHRが導入したのが「ごめんねごはん制度」です。 これは、紹介した候補者が不採用になった場合に、紹介者と候補者が会社負担で食事に行ける制度。1回あたりの食事代は数千円程度ですが、社員にとっては「会社がちゃんとフォローしてくれる」という絶大な安心感に繋がりました。
さらに、社員の紹介活動を促進するための会食費用も会社が負担。「友人との食事の中で自然に会社の話ができる」環境を整えました。
成果
この手厚いフォロー体制により、社員の紹介意欲が大幅に向上。 リファラル経由の応募は他の採用チャネルに比べて10倍以上の内定率を達成。現在では全体の約3割がリファラル経由での採用となっています。
中小企業が真似できるポイント
「ごめんねごはん制度」は1回数千円の食事代で実現できる、低コストながら効果絶大な施策です。 就業規則の変更も不要で、「不採用になった場合は食事代を5,000円まで会社が負担する」と決めるだけで明日から始められます。
この制度の効果は金額の大きさではなく、「紹介して損をしない」という安心感を社員に提供することにあります。 紹介のハードルを下げる施策としては、費用対効果が最も高い手法の一つです。
事例3【飲食・サービス業】アルバイト採用 — 数ヶ月で100名以上のアルバイトをリファラル経由で獲得
課題
飲食チェーンを展開するある企業では、アルバイトの入れ替わりが激しく、常に採用コストが発生し続ける「採用の自転車操業」状態に陥っていました。 求人媒体への掲載を繰り返すだけでは、コストは膨らむ一方で応募の質も安定しません。
何をやったのか
この企業が着目したのは、「優秀な店長がいる店舗はアルバイトの定着率も高い」という社内データでした。 アルバイトの7割が学生であり、学生アルバイトに好かれる店長のもとでは、スタッフ同士の口コミで新しいアルバイトが自然に集まっていたのです。
この自然発生的な口コミ採用を「仕組み化」することに注力。 各店舗にリファラル採用の告知ポスターを設置し、紹介してくれたスタッフにはインセンティブを支給する制度を整備しました。
成果
数ヶ月で100名以上のアルバイト採用をリファラル経由で実現。 求人媒体への広告費を大幅に削減しつつ、既存スタッフの紹介で入社するため定着率も向上しました。
中小企業が真似できるポイント
飲食店や小売店を経営する中小企業なら、「友達を1人連れてきてくれたらギフト券1,000円プレゼント」という仕組みを店舗の休憩室に掲示するだけで始められます。
ポイントは、紹介のハードルを限りなく下げること。 「履歴書を送って」ではなく「一回お店を見に来てもらうだけでOK」にすれば、既存スタッフはSNSで「うちのバイト、見学だけでもいいから来てみない?」と気軽に声をかけられます。
(※アルバイト向けの声かけ例文は「リファラル採用の声かけ例文15選」で紹介しています)
事例4【メーカー業界】荏原製作所 — スモールスタートで専門人材の採用競争に勝利
課題
精密機械メーカーの荏原製作所は、技術系の新卒・若手中途人材の採用競争の激化に直面していました。 エンジニアやナビサイト経由だけでは、通常では接点を持つことが難しい専門性の高い人材にリーチできないという課題がありました。
何をやったのか
荏原製作所のアプローチで特筆すべきは、「いきなり全社展開」ではなく「スモールスタート」を選んだ点です。
まず対象を若手社員に絞り、少人数のグループでリファラル採用を試験的に実施。 実際にやってみて分かった課題や社員の声をアンケートで吸い上げ、制度を改善した上で対象を段階的に拡大していきました。
成果
地道な改善を繰り返した結果、通常の採用チャネルでは出会えなかった専門性の高い若手人材の採用に成功。 現場の声を反映した制度設計により、社員の協力度も高い水準を維持できています。
中小企業が真似できるポイント
「スモールスタート」は中小企業にこそ最適な戦略です。
全社一斉に始めると「制度を作ったけど誰も動かない」→「やっぱりうちには合わない」と早期に見切りをつけてしまいがち。 代わりに、以下のステップで始めてみてください。
- 採用ニーズが最も高い1ポジションに絞る
- 協力的な社員を3〜5名ピックアップし、個別に声をかける
- 3ヶ月後に「何が良かったか」「何が面倒だったか」をヒアリング
- フィードバックを反映して制度を改善し、対象を拡大
小さな成功体験を作ることが、制度を全社に広げるための最も確実な方法です。
(※スモールスタートの具体的な進め方は「リファラル採用の始め方 完全ガイド」で解説しています)
事例5【訪問看護業界】LE.O.VE — 「現場の最強協力者」が採用を変えた
課題
訪問看護事業を展開するLE.O.VE株式会社は、看護師の採用に人材紹介会社をメインで利用していました。 看護師1名あたりの紹介手数料は60〜100万円と高額。採用コストが事業を圧迫する大きな課題でした。
何をやったのか
リファラル採用を導入する際に最も効果的だったのが、現場で働くスタッフの中から「最強の協力者」を見つけ出したことです。
リファラル採用に積極的に参加してくれるスタッフに協力を仰ぎ、「どうすれば現場のスタッフが友人を紹介しやすくなるか」を一緒に考えました。 現場スタッフの目線で施策を設計したことで、机上の制度では実現できなかった「現場に根付く仕組み」が出来上がりました。
成果
人材紹介会社への依存度が大幅に低下し、採用コストの削減と定着率の向上を同時に実現。 現場スタッフからの声かけで入社した看護師は、職場の雰囲気を事前に理解しているため、入社後のギャップが少なく離職率も低い傾向が見られました。
中小企業が真似できるポイント
この事例の肝は、「リファラル採用の推進役を人事ではなく現場スタッフから選んだ」ことです。
中小企業の場合、専任の人事担当者がいないケースも多いでしょう。 その場合、社内で最も「会社が好き」「仲間を増やしたい」と思っているスタッフを1人見つけ、リファラル採用の「社内アンバサダー」になってもらってください。
この1人が「うちの会社、こういう人を探してるんだけど、心当たりない?」と現場で声をかけてくれるだけで、人事部が全体メールを10通送るよりも効果があります。
特に医療・介護業界では、人材紹介会社への手数料が非常に高額なため、リファラル採用によるコスト削減のインパクトは他業種以上に大きくなります。
5つの事例から学ぶ:明日から始められる3つのアクション
5つの事例に共通する成功要因を、中小企業がすぐに実行できるアクションに落とし込みました。
アクション1:社長が全員に向けて「一言」伝える
大掛かりな説明会は不要です。 朝礼や全体ミーティングで社長が30秒だけ時間をもらい、「こういう人を探しているので、心当たりがあれば教えてください」と伝える。 串カツ田中の事例が示す通り、トップの一言が最も効果的な社内告知です。
アクション2:「ごめんねごはん」のような安心装置を1つ作る
SmartHRの事例のように、紹介した友人が不採用になった場合のフォロー策を1つ用意するだけで、社員の紹介意欲は大きく変わります。 食事代5,000円の補助でも、「紹介して損はない」という安心感は十分に生まれます。
アクション3:「社内アンバサダー」を1人見つける
LE.O.VEの事例のように、リファラル採用に前向きな社員を1人見つけ、「一緒にやろう」と巻き込む。 この1人が他の社員にとっての手本となり、紹介の輪が自然に広がっていきます。
リファラル採用の仕組み化を加速するツール
事例5社に共通するもう一つのポイントは、紹介から採用までの流れを仕組みとして管理する体制を整えたことです。 Excelでの手作業管理には限界があり、紹介が増えるほど管理コストが膨らみます。
中小企業向けリファラル採用管理ツール「リファぱっと」なら、この記事で紹介した成功事例のエッセンスをシステムで再現できます。
| 成功事例のポイント | リファぱっとでの対応 |
|---|---|
| 社員の紹介ハードルを下げる | 社員ごとに紹介URL・QRコードを自動発行。LINEで送るだけで完結 |
| カジュアル面談を入口にする | 候補者の応募を「カジュアル面談」として受付。正式応募との心理的な壁を取り除く |
| インセンティブを段階制で管理 | 面談・面接・採用の3段階でデジタルギフトを自動送付。都度決済で経理処理もシンプル |
| 法務面の安心を担保する | 社労士監修のインセンティブ運用ガイドライン付き。就業規則への記載例も提供 |
| 効果測定でPDCAを回す | 紹介数・面談実施率・採用状況をダッシュボードで一元管理 |
月額10,000円(税別)から利用でき、無料で始められます。 「まずは3ヶ月試してみて、効果を確認してから本格導入を判断する」——荏原製作所のようなスモールスタートが可能です。
よくある質問
Q. 自社にはまだ成功事例がありません。社員にどう説明すればいいですか?
他社の事例を活用してください。この記事の事例を社内共有し、「串カツ田中でも、SmartHRでも成果が出ている。うちでも試してみよう」と伝えるだけで十分です。そして、自社で最初の1件が成功したら、その事例を最強の社内告知材料として使い回してください。社外の事例100件より、自社の成功事例1件の方がはるかに説得力があります。
Q. うちの業種の事例がありません。リファラル採用は業種を選びますか?
リファラル採用は業種を選びません。この記事では飲食・IT・メーカー・医療の事例を紹介しましたが、建設、物流、小売、士業、保育など、人が働くあらゆる業種で活用されています。社員がいて、友人がいて、採用ニーズがある——この3つが揃っていれば、リファラル採用は機能します。
(※建設業・飲食業・物流業に特化した記事は今後公開予定です)
Q. 大企業の成功事例は中小企業には参考にならないのでは?
大企業の「規模」は参考になりませんが、「原理原則」は中小企業でもそのまま通用します。「トップが語る」「カジュアル面談を入口にする」「不採用時のフォローを用意する」——これらは企業規模に関係なく有効な施策です。むしろ中小企業の方が、社長が直接社員に語れる距離感がある分、実行のスピードは速いはずです。
まとめ:成功事例に共通する「たった1つの本質」
5つの事例を通じて見えてくるのは、リファラル採用の成功に「魔法の施策」は存在しないということです。
成功した企業が共通してやっていたのは、「社員が友人に自社を勧めたくなる環境を作り、勧めやすい仕組みを整えた」——ただこれだけです。
高額なインセンティブも、高機能なツールも、大企業のようなリソースも必須ではありません。 必要なのは、社長の一言と、紹介のハードルを下げる仕組みと、紹介してくれた社員への感謝です。
この記事を読んだ今日、まずは1つだけアクションを起こしてみてください。 明日の朝礼で「こういう人を探しています」と一言伝える。それだけで、あなたの会社のリファラル採用は始まります。
仕組みの構築にはリファぱっと をご活用ください。月額1万円からスタートでき、社労士監修のガイドラインで法務面も安心です。
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